ニットアイテムを持っている方なら誰でも、ニットによって暖かさが違ったり、チクチク感など肌触りの違いを体感したことがあるのではないでしょうか。
そういったニットの着用感の違いは、ニットの糸に使われている繊維によって生じます。
ニットの繊維は大きく分けて、綿やリネンなどの植物性天然繊維、ウールやカシミヤなどの動物性天然繊維、レーヨンやアクリルなどの化学繊維の3つに分類されます。
ここでは各繊維の特徴と代表的な繊維の種類を紹介いたします。
植物性天然繊維は、素肌に優しいやわらかさがあります。暖かさには欠けますが、とても軽く、くつろぎ感のある着心地が特徴です。
綿の歴史は古く、約5,000年前から用いられていると言われています。
ニットアイテムだけでなく、カットソーやシャツなど身近な多くの衣類に使われている繊維です。
良い点 | 悪い点 |
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・柔らかくさらっとした肌触り ・吸湿性と保温性が高い ・繊維が強いので繰り返しの洗濯もOK ・軽くて、伸縮性もあり着心地が良い |
・シワになりやすい ・縮みやすい |
一言に麻と言っても、採集する植物の部分によって種類が異なり、20種類ほどあります。
中でもリネンは人が初めて用いた繊維と言われています。
繊維が太くて硬く、涼感がありますので、サマーニットなど夏物衣類によく使われる繊維です。
良い点 | 悪い点 |
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・綿よりも丈夫で長持ち ・吸湿性と発散性が高い ・通気性が良く、涼しい |
・摩擦で毛羽立つ ・シワになりやすい ・保温性が低い |
動物の産毛から作られた糸は、軽くてとても暖かく、ぬくもりを感じる着心地が特徴的です。
動物の育った環境や、産毛を刈る技術など職人技によって品質が異なり、ランク付けされています。同じ天然繊維でも品質によって着心地も値段も変わってきますので、選ぶときは注意が必要です。
他の繊維にはない光沢としなやかさで、古来より最も美しい繊維と称されてきた絹。
天然繊維の中で最も細く、なめらかな肌触りと艶やかな光沢が特徴的です。
良い点 | 悪い点 |
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・美しい光沢がある ・肌触りが良い ・吸湿性が高い ・保温性が高い |
・シミになりやすい ・色落ちしやすい ・害虫を受けやすい |
ウールはコットンに次いで大量に生産されている天然繊維です。
有史以来、羊は世界中で飼育され、各地で品質改良が重ねられて今日の良質なウールが生産されるようになりました。
暖かく手触りが良い、代表的なニット素材です。
良い点 | 悪い点 |
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・シワになりにくい ・吸湿性が高い ・保温性が高い ・長持ちする |
・毛玉ができやすい ・虫がつきやすい ・縮みやすい |
カシミヤは気候の厳しい標高の高い山地で育てられたカシミヤ山羊の産毛です。
一頭からとれる量は約170グラムとごくわずか。ウールと比べてかなり高価で、高級素材として扱われています。
良い点 | 悪い点 |
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・肌触りが良い ・光沢がある ・軽い ・型崩れしにくい ・保温性が高い ・保湿性が高い |
・毛玉ができやすい ・害虫を受けやすい ・縮みやすい ・高価 |
人口で作られた繊維のことを化学繊維と言います。
レーヨンから始まり、アクリル、ポリエステルなど、数多くの繊維が開発されています。天然繊維と比べて品質に大きな差がなく、お値段もお手頃です。
レーヨンは初めて作られた化学繊維です。
人口的にシルクを作る研究から生まれた繊維で、シルクに近いしっとりとしたなめらかな肌触りが特徴的です。
モダールはレンチング社が開発した高品質のレーヨンの一種です。
良い点 | 悪い点 |
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・肌触りが良い ・光沢がある ・発色がきれい ・吸湿性が高い |
・シワになりやすい ・摩擦に弱い ・縮みやすい ・水ジミができやすい |